LED特性

LED特性
電気的特性
他の一般的なダイオードと同様に極性を持っており、カソード(陰極)に対しアノード(陽極)に正電圧を加えて使用する。電圧が低い間は電圧を上げても電流が増えず、発光もしない。ある電圧を超えると電圧上昇に対する電流の増え方が急になり、電流量に応じて光を発するようになる。この電圧を「順方向降下電圧 (VF)」というが、一般的なシリコンダイオードと比較すると、発光ダイオードは順方向降下電圧が高い。発光色によって違うが、赤外では1.4V程度。赤色・橙色・黄色・緑色では2.1V程度。白色・青色では3.5V程度。紫外線LEDは最もVFが高く、4.5から6Vが必要である。
発光時の消費電流は表示灯用途では数mAから50mA程度だが、照明用途のものでは消費電力が数十Wに及ぶ大電力の発光ダイオードも市販されており[7]、最大駆動電流が10Aに迫る製品も存在する[8]。
逆方向に電圧を掛けた場合の耐電圧は、通常のシリコンダイオードより遙かに低く、通常はマイナス5V程度である。これを超えると破壊されるため、整流用途には使用できない。
光の特性
• 波長の偏り
蛍光灯や白熱灯など他の多くの光源と異なり、特定の波長に偏った光となっている。そのため、対応する波長に対する光化学反応が促進されたり、逆に明るさの割に必要な波長の光がないため十分な効果が得られないことがある。
有効活用としては、光源の種類によっては不要な紫外線や赤外線を含まない光が簡単に得られるため、紫外線に敏感な文化財や芸術作品、熱照射を嫌う物の照明に用いられる。特定の波長の光を好む植物の育成促進の効果もある。
逆に、明るくても特定の波長の光がないため、照明として使用した場合、動植物の育成を阻害することもある。例えば、ビタミンDの生成に必要な波長を含んでいないために欠乏症になったり、光合成に必要な波長の光を含んでいないために生育が阻害されたりする。特に、3色LED方式で白色発光を作り出している方式では、波長分布による弊害が顕著となる。
なお、蛍光体を利用して波長分布を拡散している白色タイプもあるが、その場合でも光源のもともとの波長である青色のところにひときわ強い波長の光が分布している。
• 明滅の切り替え速度
入力電流変化に対する光出力の応答が早く通信などにも利用されるほか、照明に用いた場合は点灯と同時に最大光量が得られる。
物理的特性
• 構造が簡単なため大量生産が可能。
• 価格は赤色LEDで1個5円 - 10円程度と安価。
• 電球と違いフィラメントを使わないため軽量で衝撃に強く長寿命であり、故障の発生する頻度も低い。