LED使用に必要な知識

LED使用に必要な知識
• 発する光の強さは電流の量におおよそ比例する。しかし特に大電流域では効率が低下する。
• 発熱が少ないとはいえ、高出力品では相応に発熱する。熱に弱いので、放熱の必要性は白熱球や蛍光灯よりむしろ高い。ヒートシンクなどで適切に放熱しないと効率の低下や寿命の短縮で発光ダイオードの利点が失われる他、発煙・発火などの事故に繋がる事がある。
• 連続最大電流、瞬間最大電流を超えないこと。定格電流より大きい電流を流すと高光束が得られるが、寿命が極端に短くなる。LEDを使用した市販品では、寿命を犠牲にして高輝度を得ている物や価格を抑えるために電流を制限する回路を省いている物もある。
• 極性があることから、アノードとカソードを間違えて印加した場合発光しない。また逆方向に対する耐電圧が低く、破壊されやすい。
• 並列接続する際は注意が必要。順方向降下電圧 (VF) には個体差があり、並列に繋ぐと最も順方向降下電圧(簡単に言えば、電流が流れ始める電圧)の低い素子のみに電流が集中する。電流の集中でさらに発熱し電気抵抗とVFの値が減少し、さらに電流の集中が促進されるという悪循環が起こる。発光量が不均一になるだけでなく、電流が最大定格を超えれば過熱による寿命短縮や焼損の危険もある。素子の破壊がオープンモードだった場合は、次にVFの低い素子に更に大量の電流が集中し、連鎖的に破壊が進行する。複数のLEDを同時に点灯する場合は、可能な限り直列に繋いだ上で抵抗や能動素子で定電流制御した回路を1単位とし、この単位回路を並列に電源に繋ぐ。ただし、複数の素子が内部で並列接続されている製品もある。
• GaN系などの発光ダイオードは静電気やサージ電流に弱い。
• レンズ付きの発光ダイオードの場合、素子の光軸と実際に放出される光の方向は、製造過程でのばらつきのため通常一致せずわずかにずれている。
• 特定の周波数に偏った光であるため、見た目の明るさ以上に強い光であり、該当する周波数の光による光化学反応が促進される。例えば、他の発光器具にも言えることではあるが直視すると、目に悪影響を与える事がある。特に紫外線や高出力のものはその傾向が強い。